ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

CナイルなUs

40を過ぎて私もはちこもどうも耳が遠くなってきたのではないかと思う。お互いの話がよく聞き取れていないのだ。ついこのあいだも、こんなやりとりがあった。

ぼ「おい、Mのアメリカの友人が殺害されていたんだってさ」
は「へえ、どうしてわかったの」
ぼ「ネットでしらべたんだって」
は「えええっ? 何それ? 自分のベッドの下から死体が出てきたの!? 恐ーい!」
ぼ「はあ?」
は「だって、ベッドの下見たんでしょ? 今、そう言わなかった?」
ぼ「いや、ネットでしらべたって言ったんだけど…」

こんなとんちんかんな会話が最近やけに多い。

カトリーナ

夜家でくつろいでいたら、大学のプレスオフィス(広報課)のスティーブから電話がかかってきて、すまなさそうに、アメリカ南部に大被害をもたらしたハリケーンについて、シカゴの某ラジオ局と電話のインタビューに応じてくれないかと言う。それも今すぐで、生番組だそうだ。

冗談ではない。私は気象学者だがハリケーンの専門ではないから、一般的なことなら話せるけれど、今回のカトリーナについてはメディアに流れている以上の情報は何も持ち合わせていない。明日とかならまだリサーチをする時間もあるが、今すぐでは、シンプソン・スケールのおさらいをしている暇もないではないか。

I don't want to be exposed as a fool.

一応気象学者を標榜している以上、これぐらいのインタビューをこなせないようではプロでないとも言えるが、相手が何を期待しているのか分からぬところに乗り込んでいってはったりをかましたりしては、ますますプロらしくない。そういえば、7月に槍ヶ岳山荘で台風7号が接近していたときも、気象学者という身分がばれるとやっかいなことになるので、極力おとなしくしていたのだった。

それに、家からの電話インタビューというのが決定的に問題だ。折しも、背後ではちょうどアンヌがキュラソ星人の人質に捕られたところで、子供たちがキャーキャーと半端でない声を上げている。インタビューもさることながら、こんな騒音までシカゴ中のお茶の間にオンエアされた日には、たまったものではない。スティーブには悪いが、ハリケーンについては、発生機構、海水面温度と圏界面温度が熱力学的効率に及ぼす影響、スパイラルバンドの力学的安定性あたりだったら話せるが、ビッグイージーの大洪水については話すことは何もないよ、しかも外野がやかましいけど、それでも良かったら引き受けます、と返事をした。

まもなくスティーブから折り返し電話があった。ラジオ局のプロデューサーにこっちの意向を話したら、向こうの方から願い下げになったらしい。そりゃそうでしょう。話題性ないもんね。ああよかった。

カトリーナ(2)

アメリカ南部を襲ったハリケーンカトリーナの被害状況は、時間が経つにつれ、その悲惨さがどんどん明らかになっている。アメリカ国内で起きた被害とは思えないくらい、援助の手が遅れているようだ。遠い海の向こうの国での災害というなら救援物資を送るのに時間がかかるのもわかるけど、陸続きの自国内なのに、なんでこんなに遅いの?と思ってしまう。シカゴからは、アムトラックという電車に乗ってひたすら南下すると、丸一日くらいでニューオーリンズに到着する。遠いといえば遠いけど、同じ陸続きの一角がこのような状況になっているなんて、信じられない。これからうちの子供たちの学校のPTAなども動き出して、救援物資などの支援に乗り出すはず。とにかく、被災地に閉じ込められている方たちが、一刻も早く安全で衛生的で物資のある場所に避難し直すことができますように。

私の母教会出身の姉妹(私のCSの先生だった…)の家族がルイジアナに住んでいる。引っ越した年にもらったクリスマスカードには、「ルイジアナはスワンプ(湿地)だ!」と書いてあったのを思い出す。もともとじめじめした地盤の弱い土地なんだろうか。彼女たちはルイジアナのどの辺りに住んでいるのだろう。無事を祈る。

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