ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

夕べのディベート

 夕べはテレビで、娘達と一緒に副大統領候補のディベートを見た。会場はセントルイスのワシントン大学で、まるでスポーツ観戦のように大勢の人が集まって大変な盛り上がりだった。若い人たちが政治のことでこんなに興味津々で集まっているって、日本じゃあんまり見ない光景かもと思った。
 ディベートそのものは大変興味深かったけれども、どこか痒いところに手が届かないようなはがゆさも感じた。ディベートというからにはもっと両者が意見を戦わせあうのかと思っていたら、全部で90分の時間内で、さまざまな問題について5分ずつ割り当てられ、その5分の中で双方が数分ずつ自分の意見を述べるという形式。ほとんどディベートじゃないじゃん、と思った。特にペイリンは、モデレーターが質問したことでも平気でスルーして、「私は〜〜について話します」と自分で勝手にトピックを作ってまくしたてる場面が何度かあったのには驚いた。うちの高校生の娘達ですら、「ペイリンは、エナジーのことについて聞かれていない時でも、すぐにエナジーの話に持っていっちゃうんだね」と突っ込んでいた。一対一のインタビューなら、彼女が質問に答えられなかったり、意味不明な解答をするとただちに突っ込まれるだろうけれど、今回のディベート形式ではそういうことがまったくなかったので、彼女は自分が準備してきたことを思う存分語れただろうと思う。

 ペイリンは先の週のCBSのインタビューの時のような醜態をさらすことはなく、She was at her bestだったんじゃないかな。大変なプレッシャーだったはずだけど、落ち着いていて、その点では偉かったと思う。ペイリン節をきかせまくり、登場しながらいきなり投げキッス(たぶん会場にいたご主人に対して?)、バイデン氏に向かって「ジョーって呼んでもいいですか?」、ディべートの最中もカメラに向かって3度もウィンクし(追記:シカゴトリビューン紙によると、6回だったそうです)、You betcha, Doggone it, Darn,といった言葉遣いを駆使してfolksyさを前面に出し、ペイリンファンをしびれさせたことでしょう。
 ただし、そういったぺイリン節は、彼女が嫌いな人に対してはもちろん逆効果だったろうし、話術とチャームはあったけど、肝心の中身が薄いと感じた。また、彼女の露骨にパワーハングリーな部分も聞いていて怖かった。
 対するバイデンは、最後まで紳士的でリスペクトフル、彼女のちょっとした間違いはあえてスルーしつつも、大切なことについては事実を提示し、きっちり訂正し、やっぱりペイリンとは格が違うと思わせた。彼が30年前に交通事故で奥さんとまだ赤ちゃんだった子供を失い、男手一つで息子たちを育ててきたことに言及した時、彼は一瞬声を詰まらせたのだが、全然演出とかではなくて、そのvulnerabilityとリアルさがまた良かった。彼のチェシャ猫スマイルもチャーミングでしたよ。(バイデンのチェシャ猫スマイルの写真、見つけた! こちら
 他にもいろいろ思ったことはあったけど、とりあえずここまで。

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