Kindle2
日本のはちこ父からメールが来て、Kindle2が欲しいという。キンドル2とは、アメリカのアマゾンが開発した電子ブックリーダーで、すでに発売されているKindleの新しいバージョン。(こちら)
はちこ父は74歳で、目がどんどん衰えており、普通の活字の本はもはや読めなくなってしまったらしい。パソコンなどはフォントサイズを大きくできるけれど、印刷されたものだともうお手上げなのだそうだ。日本語の本は最近iPhoneで青空文庫のものを読むようになり、それが楽しいやら嬉しいやらで、今度は英語の本もこんなふうに読みたい、と思ったらしい。父から「英語の新刊書が読みたいです」という悲願のメールがきたら、娘としてはなんとかしてあげたいと思ってしまう。
Kindleは、アメリカの電話会社スプリントのWhispernetというのに携帯電話のようにワイヤレスでつながるようになっている。Whispernetのサービス圏内(国内はほとんど含まれているはず)であれば、パソコンがなくてもネットにつながり、アマゾンにアクセスしてボタン一つで希望の書籍を直接Kindleにダウンロードできるようになっているらしい。書籍だけでなく、雑誌や新聞も購読することもできるそうだ。また、海外などWhispernetのサービス圏外では、普通にパソコンでネットにつなぎ、そこからパソコンにダウンロードしてからKindleにアップすることもできるらしい。もし父が日本でKindleを使うなら、その方法を用いることになる。ただし、Kindle用の本の購入には、アメリカで発行されたクレジットカードが必要なので、そこがネックになる。恐らく、日本のクレジットカードでアメリカのアマゾンギフトカードを購入し、それを用いてKindleの本を購入するなら大丈夫かもしれないが、それはまだ未確認。(日本のIPからのアクセスだと、それでもだめかもしれないらしい…)
発売は今月の24日。いろいろ調べたら、私もちょっと(いや、かなり?)欲しくなってきた。電子ブックなんて興味ないとずーっと思っていたのに、想像してたより便利そう。英英辞書も搭載されているので、わからない単語があれば本を読みながらすぐに調べられるらしい。また、ウィキペディアにも無料でアクセスできるそうで、簡単な調べものもできる。(アマゾンとウィキペディアだけは無料でアクセスでき、その料金は本の値段にすでに含まれているので、携帯電話のように別途に契約する必要はない。それ以外のインターネットサービスも有料で使えるらしい。)
留学生だった頃にこういうのがあれば良かったなぁとも思う。アメリカでたくさん買い込んだ本を、帰国時に日本に送るのは大変だった。こういう電子ブックなら高い送料をかけて送る必要もない。もっとも、研究用の本ならやっぱりハードで欲しいけどね。
それから、読むだけでなく、音声で聞くこともできるそうで、オーディオブック代わりにもなる?(ただし、人間による朗読ではないので、あまり聞きやすくはないかもしれない。)なかなかすごいぞ、キンドル2。
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ちなみに、日本でキンドル2を正式にリリースする予定は、今のところはないそうです…(アマゾンジャパンの関係者からの情報デス。) でも、将来的に、こういったデバイスがどんどん開発されて、アメリカにいながらにしても日本語の本が簡単にダウンロードして読めるようになったらすごいなぁ。これから先、印刷業というのはすたれていくのかもね。
追記:「Kindle 2 を日本で使う」といったキーワードで検索してこちらに来られる方が多いようなので、追記します。Kindle 2を日本で使うことそのものは不可能ではありません。たとえば、アメリカに住んでいる人が、アメリカでキンドルとコンテンツを購入し、海外旅行や出張などで日本に行った際、そこでキンドルを使って読書することは可能です。日本からパソコンでネットにつないで、コンテンツを買い足すこともできます。
しかし、日本在住の人にとっては話は違ってきます。最初にキンドルを購入して登録するためには、アメリカ発行のクレジットカードとアメリカの住所が必要になります。コンテンツの購入や、iPhoneでキンドルのコンテンツを読むための無料アプリをダウンロードするのにもアメリカのクレジットカードが必要です。(アプリは無料なのでチャージはされないのですが。)
とすると、クレジットカードの番号や住所を貸してくれるくらい親しい間柄の知人がアメリカにいるのでない限り、実質上日本在住の人がキンドルを使用するのは難しそうです。