ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

憐れみに満ちたご配剤

 土手にいてエミを助けてくれた人の正体がわかった。(といっても、名前とかがわかったわけではないが。)その人は中年の女性で、車がガス欠か何かで急に動かなくなってしまったため、近くに住む家族に迎えにきてもらうのを待っている最中だったのだそうだ。車が動かなくなって困っていたら、いきなり目の前でニアミスの事故が起き、スピンしながら車が自分の方に飛んで来たりして、この女性もさぞかし驚いたことだろう。しかし彼女は、エミが車の中で茫然自失状態になっているところにやってきて、励ましてくれたのだそうだ。天使ではなかったかもしれないが、これが神様のご配剤によるものでなくて一体なんだろう! 私はこの女性に伝えたい。「あなたの車が、その時、その場所で急に動かなくなってしまったのは、神様があなたを用いて私の娘を助けるためだったのだと思います。キリストの慈愛を体現してくださってありがとう。あなたの上に神の祝福が豊かにありますように!」
 もしこの女性がその場にいなければ、多分エミは、このあと運転を続けることはできなかっただろう。こんなとき、高速道路から飛び出して土手に落ちかかった17歳の女の子が一人で、どうすることができるだろうか。日も暮れかかっていて、心細くて、パニックに陥ってしまっていたかもしれない。しかしこの女性が、エミに声をかけ、車の外回りを簡単に点検してくれて、「車はとりあえず大丈夫そうだけど、このまま運転を続けられる? あなたは大丈夫?」と優しく励ましてくれたらしい。そしてエミが車を路肩に戻すのを助け、再出発するのを見届けてくれたらしい。こんなありがたいことがあるだろうか!(涙)
 私たちの普段の生活の中でも、何か不都合が起きて自分の予定が中断されることがある。そんな時、神様が誰かを助けるために私たちを用いようとしておられるのかもしれない、と思わされた。自分の予定に割って入ってくる不都合は、実は「これからあなたを用いるよ」という神様からのサインなのかもしれない。

 このあと、さんざん道に迷って予定の時刻を大幅に遅れてキキの家に到着したエミは、心配をかけたくなかったからか、恥ずかしかったからか、キキたちにこの事故のことをすぐには話さなかったらしい。次の日は朝から大学訪問で(大学はキキの家から10分ほど)、面接やらオーディションやら夕方まで予定が入っていた。心配していた天候の方は守られ、雪はパラパラと降っただけだった。しかし、一夜あけて運転してみると、前日は気づかなかったがハンドルがガタガタする。車をもう一度チェックすると、右前輪のホイールキャップがなくなっていて、空気が抜ける音がしている。不安になったエミは、その晩、ついにキキのご両親に事故のことを話した。ご両親はびっくりして、お父さんがすぐに車を点検してくれた。その結果、タイヤはパンクし(slow leak)、リムが歪んでいたため、取り替える必要があることがわかった。そしてお父さんの方からぼぼるパパに電話をくれ、状況を説明してくださった。
 キキのご両親にはこれまでにも2度お会いしたことがあったが、ものすごく良い人たち。それはそれは親切で、感じがよくて、こういう人が娘たちの将来のin-lawsだったら良いなぁと思うほど。(笑)昨日も、エミを迎えに行くと、驚いたことにお父さんがすでにタイヤを交換してくださっていた。そして、「試運転してみましたが、もうハンドルもがたがたしないし、とりあえずこのまま運転して帰る分には支障はなさそうですよ」とおっしゃってくださった。
 そして、「2時間運転してきて疲れたでしょう」と私たちを迎え入れ、1時間半ほどゆっくり休ませていただいた。まるで昔からの友人のように、話がはずんで楽しかった。
 それにしてもエミは、金曜日の晩の事故から土曜日の面接やオーディション、そして車の状態がどうなったのかよくわからない不安などで、恐らく本人が自覚していた以上に相当心身ともに消耗したようだった。日曜日は、本当はキキの家族と一緒に教会に行くはずだったのが、昼までこんこんと眠り続けたらしい。キキのお母さんも、「エミには今、休息が必要なのよ。寝かせておいてあげましょう」と、そのまま寝かせておいてくれたらしい。優しい心遣いに涙が出る。
 車は結局、運転できる状態だったことがわかったが、エミ自身がとても一人で運転できる心身のコンディションではなかったので、やはり迎えに行って良かった。昼まで寝ていたのに、帰りの車の中でもずっと眠っていた。
 予想外の展開になった週末だったけれど、エミも私も、なんだかとても良い経験をさせていただいた気がする。神様の驚くべき慈愛と恵みが、心に鮮烈に刻まれた。
 皆さんもお付き合いくださってありがとう。そして、お祈りしてくださってありがとう。

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