ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

みんのこと

 先週末うちに泊まっていたエマは、日曜日の朝は私たちと一緒に教会へ行き、夕方になって家に帰った。おかあさんと、うまくいったかな…

 さて、書き留めておきたかったみんのこと。
 みんのボーイフレンドのサルジオは、6月半ばから一ヶ月、親戚を尋ねてメキシコに行っていた。その一ヶ月間、もっぱらスカイプやメールで連絡を取っていたが、会えない寂しさと、直接会ってのコミュニケーションができないことで、途中何度かすれ違いが起こり、喧嘩になることもあった。
 サルジオが帰ってきたのは、エミのボーイフレンドのマイクがシカゴに来る二日前。翌日、みんはサルジオとサルジオの従兄とみんの友人の4人で、シカゴのダウンタウンに行った。みんにとっては、一ヶ月ぶりのサルジオとの再会で、サルジオの留守中、ダイエットに励んで少しだけ痩せたみんは、再会をとても楽しみにしていた。
 ところがその晩、みんは泣きながら帰ってきた。(自タイと尾尾尾さんが来た晩。お二人が去ったあと、みんが泣きながら帰ってきたのですよ。)シカゴで待ち合わせして、いったんサルジオと落ち合ったものの、その日のプランに関してコミュニケーションがうまくいっていなかったらしく、誤解が生じて、結局別行動になってしまったのだそうだ。サルジオと従兄は街に繰り出し、みんと友達はシカゴのミシガン湖のビーチに行ったらしい。
 みんは、「全部私が悪いことにされてしまったの」と泣いていた。せっかく楽しみにしていた再会だったのに、こんなことになってしまって可哀想だった。
 マイクが来る当日の朝、みんが私に、「サルジオに謝りに行きたいから、サルジオの家まで連れていってくれる?」と尋ねた。サルジオの家はうちから車で25分くらい離れている。みんはまだ免許を持っていないので、彼の家に行くときは、いつも私かパパが車で送っていくしかない。夕方にはマイクが到着するし、面倒だなぁと思ったのだけれど、みんは真剣な顔で、「今回のことは、やっぱり私が悪かったと思うの。サルジオに甘えてつい我がままを言ってしまって、サルジオだけでなく、サルジオの従兄にまで迷惑をかけてしまった。だから謝りたいの」と言う。
 私は、ミスコミュニケーションというのは双方の責任であり、みんが一方的に悪かったわけではなかろうと思ったけれど、本人がそう言うならばと思い、連れていってあげた。謝るだけだというので、私はサルジオの家の前で待つことにした。みんは「謝罪を受け入れてもらえるよう、祈っていて」と言って車を降りた。
 約15分後、みんは悲しそうな顔で戻ってきた。「どうだった?」と訊くと、首を横に振りため息をつき、「今すぐには受け入れられない、時間が欲しいって… 悲しいけど、時間が必要だというサルジオの気持ちは分かるから、私は待つ」と言った。
 夕方、家族全員でマイクをオヘア空港に迎えに行った。エミも2ヶ月ぶりでマイクに会えるのを楽しみにして、その日は上機嫌だったが、みんの顔は沈んでいた。無理もない。それでも、姉の喜びに水をさすような態度はとらず、我慢しているのがよく分かった。マイクを待っている間、「みんちゃん、サルジオのことで悲しいのに、一緒に来てくれてありがとうね。機嫌の悪い態度を取らないでいてくれて、ありがとうね。I really appreciate it」、私はそういって、みんをハグした。
 マイクが到着してから、私たちは和食のお店にお寿司を食べに行った。ここでは、ウェイトレスさんの手違いでオーダーが半分しか入っていなかったというトラブルがあり、全員の食事が運ばれるまでになんと2時間近くも待たされた! 待っている間、みんなで楽しくおしゃべりをし、なぞなぞに興じた。みんは、笑顔の合間にも時々ふっと悲しそうな顔になって、「ああ、サルジオと話したい。でも、彼がreadyになるまで我慢する。Love is patient.」と言ったり、日本語で、「ココロガ、イタイ…」と言ったりしていたが、決して不機嫌になることはなかった。そして、辛いところにいるみんを励ますかのように、みんの友達数人から次々と携帯メッセージが入った。それも、温かい励ましの言葉とかではなく、くだらない笑い話とか、変な顔の写真とか、そんなのばっかり。(笑)みんはそれらを見るたびに、プハーっと吹き出していた。そんなみんの様子を見て、この子は良い友達に恵まれているなぁと思った。

 翌日の日曜日は、教会で普段以上に熱心に賛美しているみんの姿があった。帰りの車の中でも、「前に教会で『第一コリント13章チャレンジ』をやったよね?…」などと話していた。(『第一コリント13章チャレンジ』とは、「寛容」とか「親切」など、毎週一つずつフォーカスを決めて、「愛」を意識的に実践する、というもの。)サルジオとの関係を回復するために、彼女が神様にすがり、神様から愛や知恵をいただこうとしているらしいのがわかった。
 帰宅すると、「午後から友達とシカゴのビーチに遊びに行くことになっていて、その後、夕方からまたサルジオのところに寄ろうと思うんだけど、行ってきてもいい?」と訊いてきた。仲直りしたければ、みんの方がすべての努力をしなくてはいけないとサルジオが言っていると言う。それはあまりにサルジオも勝手ではないかと思い、「そんなの不公平じゃない? こういうトラブルはたいてい双方に責任があるものだから、それぞれに歩み寄るべきだと思うよ」と言うと、「わかってる。でも、Life is not fair.」
 Life is not fairというのは、私も日頃からみんに言っていることなので反論できなかったが、さすがに気になるので、「あなたがあんまりサルジオとの関係に依存しているんじゃないといいけど」と言うと、みんは、「依存してるんじゃないよ。関係を修復しようとしているだけ」
 彼女も祈って考えて行動しているようだし、彼女の気の済むようにさせてあげようと思い、サルジオのところに寄る許可を出した。
 そして、その日はついにサルジオはみんの謝罪を受け入れたそうで、みんはイエス様に感謝しながら大喜びで帰宅した。

 みんは自分に非があると思ったので、誠意を持ってしっかり対処したけれど、もしこういうことが今後も続くようなら私は考えちゃうな。問題が起きたからといってすぐにその関係を見限ってほしくはないけれど、そして今回に限って言えば、みんの態度は立派だったと思うけれど、あまり理不尽に振り回されるようなことになるなら、それはよろしくないよね。今回、落ち込みつつも、一人で内にこもってしまうのでなく、家族や別の友達と外出し、サルジオとは離れたところで自分のlifeを持ち続けることができていたのはよかった。こういう経験を通して、みんも成長していくのだろうな…。やれやれ、ドラマチックな16歳です… そんなみんの上に神様の守りと導きがありますように…

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