仙台からの訪問
おとといの晩、仙台からシカゴを訪問中の、塩釜パプテスト教会の大友ゆきえ姉が訪ねてきてくださった。大友ファミリーは2年前までシカゴに住んでおられ、私たちはシカゴJCFNの活動でご一緒させていただいていた。ご主人のユッキーこと大友幸証兄は、ホープみやぎという3.11震災からの復興のための救援活動を始めておられる。
これまでインターネットやアメリカのメディアを通して、また被災地に赴いてきた方たちの話を通して多くの情報を得ていたけれど、やはり実際に被災した方のお話を直接伺うのはインパクトがあった。地震が起きたそのときのこと。揺れてから津波が襲ってくるまでのこと。その後のこと。その後の、この3ヶ月あまりのこと… ゆきえさんが分かち合ってくださったことの中でも、特に津波の臭いのことが印象深かった。汚物のような、嫌な臭いがするのだそうだ。津波の映像は嫌と言うほど見たけれど、臭いだけは映像や音声からは伝わってこない。
メディアには出てこないさまざまなことがある。素晴らしいことも、悲惨なことも。奇跡としかいいようのない不思議な神様のご配剤や、被災地での主のしもべたちの献身的な働き。また、世界中から寄せられる援助のオファーと、被災地のニーズのミスマッチからくるストレスや混乱。このような状況の中で、コミュニティーに根ざした地域教会が果たしうる役割の大きさを痛感した。役所や学校など、行政を通しての働きよりも小回りが聞き、地域の人たちのニーズに細やかに耳を傾けることができる。
大友家の息子さんたちは、2年前と同じように楽しくケンと英語で遊んでいた。遊んでいる姿だけを見るなら、何も変わっていないように見える。でも、子どもたちが心の中にどれだけの恐怖や不安や傷を抱えているかは、外からは到底わからない。
心に迫るものがあるけれど、うまく言葉にできない。安易に言葉にできない。
大友幸証兄がディレクターを務めるホープみやぎ、それから、オアシスチャペル利府キリスト教会の松田牧人先生が代表をなさっているオアシスライフ・ケア。どちらも、被災地の地域教会が始められた働き。この二つの働きのために特に祈らされている。