ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

ダニー・ファントム

 今朝、家のメールボックスを開けて大きな封筒を発見した私は、差し出し人の名前を見ておもわずにっこりした。「バーガーキング」。みんが喜ぶぞー!

 みんはテレビアニメのダニー・ファントムの大ファン。(ちなみに、中村家では春からテレビをつないでいなかったが、最近またつなげた。)しばらく前に、バーガーキングのキッズミールにダニー・ファントムのおもちゃがオマケで付いてくるキャンペーンをやっていて、本来ならキッズミールはとうに卒業しているみんだったが、そのオマケが欲しくて、教会の後にバーガーキングでランチを買ってとおねだりした。でかけたバーガーキングのドライブスルーのメニューには確かにダニー・ファントムの絵が描いてあった。ところが、注文して受け取ったキッズミールに入っていたオマケはダニー・ファントムではなく、スポンジ・ボブだったのだ。すぐさまみんが抗議したので店員に問いただすと、すまなさそうに、火曜日にならないとダニー・ファントムのおもちゃは入らないという。なんだ、看板にいつわりありじゃないかと大いに腹が立ったが、ないものねだりをしても仕方ないので、ここはなんとかみんをなだめた。ケンスケも「今度ダニーのおもちゃがついてきたら僕の分もあげるからね」と、落ち込んでいるみんをなぐさめていた。姉貴思いのケンの優しさにちょっと心打たれた。

 次の日曜日も、教会のあと私たちはバーガーキングのドライブスルーに行った。火曜日をすぎたので、当然ダニー・ファントムのオマケが付いてくると思ってキッズミールを注文し、中を確認もせずに車を発進させたが、やがて後ろでみんが悲鳴をあげた。「ダニー・ファントムじゃない! ドーラ・ザ・エクスプローラーだよ。幼稚園児じゃないんだから、ドーラのおもちゃなんか、欲しくないよう!」この時は私も疲れていたこともあって、「もういいじゃん、ダニー・ファントムだってドーラだって…」と言ってしまったのだが、みんは当然納得が行かない。声をあげて泣き出した。

 その次の日曜日、三度目の正直を期待して三たびバーガーキングに出向く。今度は注文を取る前に、ダニー・ファントムのおもちゃはありますね、と念を押したのだが、なんと「もうありません」とつれない返事。みんは下を向いたまま。「いったい、ほんとうにお宅はダニー・ファントムのおもちゃを仕入れたことがあるのかっ?」こっちの詰問口調にも、のらりくらりと要領を得ない返事。これには親の方が完全に頭に来た。たかがオマケという問題ではない。子供に期待を抱かせておいて、こういう形で裏切るのは犯罪行為である。

 あんまり悲しそうに泣かれると、親の方も辛い。家に帰ると、はちこは泣いているみんに、「バーガーキングの社長に手紙を書いて抗議してみたらどう?」と提案した。みんはただちにバーガーキングのサイトを検索し、顧客係の住所を見つけ出した。電子メールは受け付けないとのことだったので、普通の手紙を書くことにした。文章を書くのは得意なみん、テレビでも大々的に宣伝しているおもちゃがついてこなくて、いかに自分が失望したかを社長あてに切々と訴えた。バーガーキングのサイトでも「全ての顧客の満足を保証します!」と謳っているのに11歳のカスタマーをこんなにがっかりさせるとはどういうことなのか、そんな会社の食べ物は2度と食べたくない、誠意をもってダニー・ファントムのおもちゃを送ってほしいという、なかなか雄弁な内容だった。みんは抗議の手紙を書いたことで、感情が発散され随分落ち着いたようで、その後はこの件でもう泣いたりゴネることはなかった。その手紙を送り出して約2週間、忘れたころに、バーガーキングから返事が来たというわけである。

 学校から帰ってきたみんが、顧客対応係のていねいな手紙と、8種類すべてのダニー・ファントムのおもちゃをいっぺんに手にして、すっかりご満悦だったのは言うまでもない。これで我が家でのバーガーキング株は少しもちなおした。どんな会社でも失敗はする。一流の会社と二流の会社を分けるのは、起こしてしまった失敗にどう対処するかである。

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