ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

あわれみは好むが、いけにえは好まない

 昨日、ケンはダニーにうちに遊びに来て欲しくて、幼稚園から帰って来てすぐにダニーのうちに呼びに行った。しかし彼は留守だった。お母さんが出てきて、「あと2時間くらいしたらお父さんと一緒に帰って来るから、そしたら遊びに行くわね」と言った。それでケンは一生懸命待ったのだけど、2時間たっても3時間たってもダニーは来なかった。ケンはがっかりし、膨れっ面で、すっかりご機嫌斜めになっていた。
 ところが夕方6時過ぎになって、ダニーが戻って来て、お父さんと裏庭で遊んでいるのがうちから見えた。それでケンは興奮して、「ダニーが帰って来た! 今から遊びに来てもらってもいい?」と私に聞く。だけどもうすぐ夕ご飯の時間でしょ、と言っても、待ちこがれていたケンには通用しない。ちょっとだけでいいから、と頼み込む。それで、「じゃあ、ダニーのお父さんがいいって言ったら、30分くらいだけでも遊びに来てもらおうか」ということになり、ケンは嬉々としてダニーを迎えに行った。ほどなくダニーは一つ年上のお姉ちゃんのローラと一緒にやって来た。先ほどまでの膨れっ面とはうって変わって幸せそうなケン。家中をダニーに案内し、お気に入りのおもちゃを次々と出して来て、ダニーと遊んだ。(ローラはま〜やと遊んだ。)
 30分くらいしたら、お父さんが迎えに来た。このお父さんはスラリと背が高く、伊達な感じの人なのだけど、この日は普段とは違ってどこか自信がなさそうな、おどおどした様子に思えた。ダニーを遊びに来させてくれてありがとうと言うと、彼も、こちらこそありがとう、ダニーは大喜びだったよ、と答えた。
 ケンはダニーが帰ってしまうのが寂しく、一番のお気に入りの新品のおもちゃを持って来て、私に「これ、ダニーにあげていい?」と聞いた。それはケンがずーっと欲しくて、ようやく手に入れたばかりのおもちゃだったので、後で後悔するといけないと思い、「それはやめておいた方がいいんじゃない?」と言うと、今度はお気に入りのスパイダーマンの帽子を持ってきて、「じゃあ、これをあげてもいい? ダニーがこれ、好きなんだ」と言った。黒地に白と赤でクモのマークが入っているかっこいい帽子で、ケンも大好きだったのだけど、本人がそんなに言うならと思い、「いいわよ」と私は返事した。ケンは嬉しそうにその帽子をダニーの頭にかぶせながら「これ、あげるよ!」 ダニーも嬉しそうに、その帽子をかぶって意気揚々と家に帰って行った。
 大好きなダニーのために、自分のお気に入りのものをあげたいというケンの気持ちに、私は心打たれた。 ダニーが強引に欲しがったからではなく、私が「あげなさいよ」とせっついたからでもなく、これをあげればダニーも何かくれるだろうと期待したからでもなく、ただケンが自分の心からあげたいという気持ちでそれをしたことが、私はとても嬉しかった。
 その時、「わたしはあわれみは好むが、いけにえは好まない」という神さまの言葉を思い出した。(ホセア6:6、マタイ9:13,12:7) 神さまも、御自身の子供たちが何かを行なう時、「いやいやながられでもなく、強いられてでもなく、喜んで、心で決めた通りに」行なっているのを見る時、こんなふうに喜ばれるのだろうなと思った。律法ではなく、愛を動機とした行動を見る時、神さまもこんなふうに、わが子供たちを嬉しく、愛しく、誇らしく、ご覧になられるのだろうなと思った。

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