ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

主(ヤハウェ)があなたがたを恋い慕って……

 昨年秋にもご紹介した、高橋秀典先生(立川福音自由教会牧師)の「主(ヤハウェ)があなたがたを恋い慕って……』を再びご紹介します。

 今年に入ってから、この本を聖書通読(今年はマイペースなのでゆっくりめだけど)の副読本としてずっと読み進んでいるのだが、これが大変良い!! 副題は「聖書の基礎(モーセ五書)の解説」となっているが、解説書にありがちな難解さがなく、とても読みやすくわかりやすい。神学的・学術的解説というより、私たちのいのちの手引きとしての解説と言えるだろうか。
 もともと礼拝メッセージだったものを本にまとめられたそうで、そのせいか、読みながら自分の頭で一生懸命考えなくても、ただ耳を傾けているだけで、すんなり心に入ってくる。語りかけるような穏やかな文調と随所に散りばめられた先生ご自身のお証も、私たちが神の言葉を自分の歩みに関連づけて理解する助けになっている。旧約聖書は、イスラエルの民の歴史と彼らと神様の関係についての書物だが、それがキリストの十字架、恵み、福音とどうつながっていくのか、私たちの視線をキリストへと繰り返し向けさせてくれ、聖書全体のメッセージの根幹が浮き彫りにされる。
 モーセ五書なんていうと、人類の歴史の中でも一番古い書物の一つではないかと思うけれど、先生の解説を読んでいると、ここに書かれていることがどれだけ現代の私たちにも密接に関連しているのかがよくわかる。たとえば機能不全家族、たとえば依存症、たとえばワーカホリズム… 聖書の登場人物たちが抱えている問題が、今の私たちのそれと本質的に同じものであり、それゆえに彼らに語られている神の言葉、彼らに差し出されている神の恵みは、現代の私たちに対しても語られ、差し出されているものなのだということがよくわかる。 
 いま、私の教会の礼拝では、復活祭に向けてレビ記からのメッセージシリーズをやっているが、そのシリーズのタイトルは「The Most Important Book You've Never Read (It's Leviticus, by the way!)」。日本語で言えば、「あなたがぜったい読んだことのない、一番大切な本(ちなみに、レビ記です!)」、つまり、レビ記というのは、クリスチャンの間でも敬遠されがちな難解(で退屈!?)な書と思われることが多いのですね。実際、創世記、出エジプト記と、エキサイティングなストーリーの数々を読んだ後でレビ記に入ると、延々と続くやけに細かな律法の数々に、ついページを飛ばしたくなったことは、レビ記を読んだことのある人なら覚えがあるのでは?
 しかし、この難解(で退屈!?)なレビ記ですら、高橋先生の手にかかると、数々の律法の背後にある神様のお心がわかって涙なしには読めず、ああ、キリストの十字架に現された神様の愛って、こんなに奥が深かったんだ、と目が新たに開かれる。(先日、ケンスケの空手教室の時、待っている間に廊下のベンチでこの本を読んでいたら、涙が溢れて溢れて仕方がなくて困ってしまい、トイレにかけこまざるを得なくなりました。)

 というわけで、『主(ヤハウェ)があなたがたを恋い慕って……』を、私は強くお薦めいたします。通読の副読本とするもよし、読み物として、この本だけで読むも良し、モーセ五書の分からないところを調べるだけのために手元に置いておいても役に立つと思います。
 何年か前に、ハンス・ビュルキ著『主の弟子となるための交わり』を大々的にお薦めしたことがありました。その頃は在庫があって簡単に入手できたようでしたが、数年のうちに品切れとなり、入手困難になってしまいました。幸い昨年、限定復刊されたので、その機会に購入することができた方達もいらっしゃると思いますが、日本のキリスト教書というのは発行部数が少ないせいか、在庫があるうちに買っておかないといずれ品切れになって、後からいくら欲しいと思っても書店では手に入らなくなってしまうことが少なくないんですね。
 『主があなたがたを恋い慕って……』は、発売元はいのちのことば社さんですが、高橋先生の自費出版であるため、部数は限られています。今はまだ在庫があるそうですが、すでに書店では入手が難しくなっているようです。もし興味をもたれた方は、もよりのキリスト教書店に問い合わせるか、あるいは高橋先生に直接お問い合わせください。 先生のメールアドレスを私のブログで公開してもかまわないか、今確認中ですので、もし許可がおりればまたお知らせします。(追記:先生の許可をいただきました!こちらです。)立川福音自由教会のホームページもあり、そこには教会の電話番号が出ていますので、そこにお問い合わせいただいてもよいかと思います。値段は、書店で購入すれば、定価は本体2191円+税、先生に直接注文する場合は、1冊2000円+送料日本国内一律270円だそうです。
 -立川福音自由教会ホームページ
 また、北米在住の方にはJCFNが窓口となって販売しているそうなので、JCFNにお問い合わせください。
 復活祭前に本書を入手してレビ記の箇所だけでも先に読まれると、今年の復活祭の味わいが一層深まるかもしれないですね!

 ちなみに、ヘンリ・ナウエンの本の出版で有名な「あめんどう」さんの代表であるクレオパさんも、本書を絶賛しておられます。

 最後に、参考までに本書の一部をご紹介させていただきます。励まされる箇所はいくつもあるので、どこにしようかと迷いましたが、以前、高橋先生ご自身が引用してくださった箇所から…
 

 アブラムは、「ご覧ください。あなたが子孫を私に下さらないので、私の家の奴隷が、私の跡取りになるでしょう」と泣き言を言います。ところが、主はそれに優しく応えられ、「あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない」と言われます。その上で、主は彼を外に連れ出して、「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい・・・あなたの子孫はこのようになる」と言われました。
 それに対し、「彼は主(ヤハウェ)を信じた。主はそれを彼の義と認められた」(15:6)と簡潔に記されます。これは、パウロが繰り返し引用する信仰の核心のみことばで、「信仰義認」と呼ばれます。多くの人は、「信仰」を積極的な心の働きや不動の心、不可能にかけてゆく熱い情熱のように誤解します。しかし、神から義と認められた信仰とは、満天の空を見上げて、神の約束を聞き、それに心で「アーメン」と応えるという極めて受動的なものでした。
 私は、自分の信仰は義とされるにふさわしい信仰かと悩んだ時期がありました。しかし、主のみことばが自分に迫ってきて、それに「アーメン」と応答した結果、教会につながっています。神は私たちのひ弱な信仰をも喜び、受け止め、育んでくださっておられるのではないでしょか。(『主(ヤハウェ)があなたがたを恋い慕って……』より)

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