ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

恐るべし(その二)エミの運転編

 夏休みに入って、ついに運転の練習を始めたエミ。数日前の夜、ぼぼるパパの監督のもと、近所の駐車場で初めてハンドルを握った。パパ曰く、「真っすぐ進むこともできないんだ。」 特に、曲がる時に90度に曲がれなくて、とんでもない方向に行ってしまうらしい。スピードの調節もまだまだで、出し過ぎたり、ヒョロヒョロだったり。
 夕べは、駐車場での運転がすこーし慣れてきたかな、という時になって、じゃあ、公道に出てみるか、と駐車場の外に出てみたそうだ。ところが慣れてきて調子に乗ったのか、スピードが出ているまま(といっても時速20マイルくらい)、減速せずに角を曲がろうとし、縁石に激突。砂煙をあげて、タイヤが破裂。(1ヶ月前に取り替えたばかりの新しいタイヤだったのに…)もう少しで標識に突っ込むところだったけれど、パンクして止まったおかげでそれは免れたらしい。
 夕べ帰って来た時のエミは、「タイヤがパンクしちゃったんで、タイヤの取り替え方を教えてもらっちゃった♪」などとニコニコしていたが、パパの方は、すっかりげんなりしていた。ぼぼるパパはわりとどんな時でも楽観的で落ち着いている人なので、その彼があんなにうんざりした顔を見せるのは珍しい。新しいタイヤがパンクしたことにがっかりしたのでなく、エミにあまりに運転のセンスがなさそうなのに、先が思いやられてがっくりしてしまったらしい。「当分公道には出せないし、高速道路の運転なんて、十年先だ」と彼。
 教習車と違って、普通の車だから助手席にはブレーキなどない。ハンドルを握る子どもの隣で、助手席に座る親は、子どもがどんな運転をしても、結局のところなすすべもないのだ。できるのは「止まれー!」とか「スピード落とせー!」と叫ぶだけ。パパはその無力感に打ちのめされてしまったようだった。ソファに深く腰を降ろし、私が様子を聞いても、言葉少なに首を横にふるばかり。そしてポツリと、「これを4人分やらなくちゃいけないのか…」 
 エミは運転のセンスがなさそうだから、もう運転はさせなくていい、というわけにはいかない。この国で暮らす以上、運転は必須。2年後、大学に行くために家を出る時までに、なんとか安全なドライバーに育て上げないと、心配で家を出せないよ。
 そんなことを思いつつ、今日はプロの教習の先生と運転の練習。アメリカの教習所は、日本のそれとは全然違う。最初からいきなり公道に出て練習だ。しかも、先生と一対一でなく、先生一人につき、生徒が2〜3人同乗する。
 自宅まで教習車で迎えに来てくれるのだが、それを運転していたのは、他の高校生の初心者だった。1回のセッションが3時間で、最初の一時間半はその子が運転し、エミは後部座席にて「観察」。次の一時間半はエミが運転し、もう一人の子は後部座席で「観察」。エミにとって実質上初めての公道での運転だったのに、いきなりうちから3〜40分の場所にまで運転してきたそうだ。行きはもう一人の子が運転し、帰りはエミが運転したのだとか。普通の道を、普通に時速50マイル(80キロ)出して走ったって… 信じられない。大丈夫だったの?と聞くと、「うん… スピードが出過ぎちゃった時は、どうやって減速したらいいの?」とのたまう。「まずアクセルから足をはずして、それでもあまり減速できなかったら、ゆっくりブレーキを踏むんでしょ」と言うと、「そうかー」と。おいおい、減速の仕方もわからないで、時速80キロも出しちゃっていいのか? なんて恐ろしい。途中で何度か、先生が横から手を伸ばして、ハンドルを掴まれたらしい。(苦笑)先生も命がけだよね。だけど、もっと可哀想なのは、エミのパートナーになっちゃったもう一人の教習生だわ。
 次回の先生との教習は来週の金曜日。それまでに、またパパか私と、駐車場でもう少し練習させないと。ああ、怖い、怖い。 思い切り、祈らされています。

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