ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

熱い夜

 夕べは、スズキ教室のリサイタルとエミの演劇の発表会があって、慌ただしくも満足度の高い夜だった。
 リサイタルでは、ま〜やはこの教室で唯一のヴィオラ奏者なので、初心者ながらも出番が多く、よく頑張っていた。エミは、もう一人の高校生の女の子と先生二人と一緒にカルテットを組み、ハイドンString Quartet in F minorを演奏した。とても素晴らしくて、聞き惚れてしまった。
 リサイタルは6時半から8時まで、演劇は開演が8時半からだったので、エミはリサイタルが終わってから高校までダッシュだった。
 舞台は、「Passion Play」というお芝居の一部を脚色したもの。ナチドイツの時代に村人たちがキリストの受難劇を演じて、それをヒットラーが反ユダヤ主義のために利用している…というような話。エミはユダヤ人の娘役で、準主役だったので驚いた。この娘は最後には軍に捕まって、彼女が牢屋の中から物悲しく「シェマ」を歌って幕が下りる。シェマとは申命記6章の「聞きなさい(シェマ)。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。心を尽くし…」にメロディをつけたもので、ユダヤ教徒なら誰でも知っている歌らしい。エミはそれをちゃんとヘブル語で歌っていた。エミは一人二役で舞台中でバイオリンの演奏もしたり、なかなかの活躍だった。
 夕べの演目は二本あって、もう一つのお芝居では、上演中、キャストの一人が怪我をするというアクシデントがあった。演技の最中、コップを落としてしまい、その破片の上にひざまずいて、膝をぱっくり切ってしまったのだそうだ。すごかったのは、観客は、いつ彼女が怪我をしたのか気づかなかったこと。普通なら、切った瞬間に叫ぶなり何なりして、観客も気づくだろうに、彼女は顔色一つ変えなかったのだ。そして、舞台裏に引っ込んだ時に大急ぎで手当をし、また何事もなかったように舞台に上に戻り、最後まで演技を続けた。なんとう役者魂。観客は、いつの間にか彼女が膝に大きな絆創膏をつけていて、それがみるみるうちに血に染まり、膝から下は血まみれ状態になって演技をしているのを見て、何が起きたのかわからず、舞台の後も、みんなヒソヒソと「あれは演出だったの? それとも本当に怪我したの?」と不思議がっていた。でも、後からエミに聞くと、舞台裏ではクルーはみんなパニックしていたそうだ。怪我をしたのは、以前私が教会で中学生の女の子のクラスを教えていた時に来ていた子なので、私はなおさらショック。怪我が早くよくなりますように。(追記:舞台の後、彼女はそのまま救急病院に行き、6針縫ったそうだ…)
 舞台の上にも結構危険はある。エミも以前、リハーサル中にドライアイスにすべって転倒したことがあるそうだ。その時、手にバイオリンを持っていたそうで、尻もちをつく形で転んだからよかったようなものの、もしも前につんのめるように転んでいたらどうなっていただろうと、想像するだけでも鳥肌が立つ。
 さて、この二本のお芝居は、コンクールに出場するためのもので、今度の土曜日が地区大会。州大会まで進めるといいね。子供たちが夢中になって何かに打ち込んでいる姿を見るのは、とても清々しい。彼女たち一人一人の祝福と守りと導きのために、自然と祈りが口をついて出てくる。

ホーム日記ミルトスの木かげで(最新)