ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

南部先生、ノーベル賞!

 いや〜、今朝の中村家は朝から盛り上がっています。シカゴ大学の名誉教授の南部陽一郎先生が、日本の小林誠先生、益川敏英先生とともにノーベル物理学賞を受賞された!
 朝、まだ寝ているぼぼるパパの耳元で、「ねぇ、日本人のシカゴ大学の先生がノーベル賞取ったよ」とささやくと、彼は目をパチッと開けて「南部陽一郎先生?」「そう!」

 彼はがばっと起き上がり、「やったー、やったー! ばんざーい! 嬉しいなぁ、いやぁ〜、嬉しいなぁ! やっと取ったなぁ! もっとずっと前に取ってても不思議はないはずなのに、今さらという感もあるが、しかし良かった!」私を尻目に、一人で興奮してしゃべりまくる。
 私はといえば、実は南部先生という方がシカゴにいらっしゃるとも知らなかったのだけれど(大汗)、夫がそんなにも喜んでいるのを見て、私もすっかり嬉しくなってしまった。朝一番に、彼がこんなに喜ぶ知らせを伝えることができて、私も幸せ。ぼぼるパパはベッドから起き上がると、いつになくシャキシャキと動いて、シャワーを浴び、きびきびと着替えて、やたら気合いが入っていた様子。こんなにも自分のことのように喜んでいるのが可愛くもあり。うふ。
 シカゴ大学のサイトのトップページにも、早速南部先生のニュースが大々的に出ている。もう長いこといつ取ってもおかしくないと言われ続けていた南部先生がついに受賞し、物理学科も大喜びだろう。今回の受賞は、50年近く前の研究に対するものだとかで、それを聞いて私もびっくり。受賞の知らせを聞いても先生は淡々としておられたというのも無理もない。だけど、たとえ今頃であっても、まだお元気なうちに受賞されて本当によかった。
 (以下はぼぼるパパから聞いたこと。)6年前に日本の小柴先生と共にニュートリノの研究でノーベル賞を受賞したレイモンド・デイビス博士は、当時88歳、ノーベル賞受賞者では史上最高齢だったそうだ。せっかく受賞したものの、彼は初期のアルツハイマーに冒されていて、自分でスピーチできる状態ではなかったため、彼の息子でありぼぼるパパのシカゴ大学の同僚でもあるアンディ・デイビスがかわりにストックホルムでスピーチしたらしい。(本人も授賞式には参加している。これに関するぼぼるパパの日記もあります。興味深いです。)
 また、気象学の分野でも、ノーベル賞を取って不思議はないと言われていたカオス理論のエド・ローレンツは、今年の春、91歳の誕生日を目前に亡くなられた。今朝、南部先生の朗報を喜んだ次に、ぼぼるパパが言ったことは、「エド・ローレンツはノーベル賞を取ることなく亡くなったのが、非常に悔やまれる」だった。そして、「取って当然の人には、早くあげて欲しいよ」とも。

 ところで、『ゲノムと聖書』の第三章に、次のようなくだりがある。

ビッグバン直後の宇宙の初期に、ほぼ同量の物質と反物質が作り出された。そして一〇〇〇分の一秒で宇宙はクォークと反クォークが「凝結」するくらいに冷却された。このくらいの高密度では、クォークと反クォークは次々に出会うが、そうすると、どちらもたちまちにして完全に消滅し、光子の形でエネルギーを放出する。しかし、物質と反物質の対称性はあまり正確ではなく、一〇億対のクォークと反クォークにつき、クォークが一つ余分に存在した。全宇宙に存在したすべての可能性のうち、このわずか一握りだけが、現在我々が知る宇宙の質量の大部分を占めるのである。なぜこのような非対称性が存在したのか? 対称である方が、より「自然」に思えるだろう。しかし、もしも物質と反物質が完全に対称であったなら、宇宙はたちまち放射エネルギーのみの存在となり、人間も惑星も恒星も銀河も、決して存在することはなかったはずなのである。

 ここで言及されている物質と反物質のほんのわずかな非対称性、これがなければ宇宙も人間も存在し得なかったという非対称性、南部先生が今回ノーベル賞を受賞された研究は、まさにこういった素粒子の非対称性に関わることなのだそうだ。コリンズがここで言及しているようなことは、南部先生が提唱された理論をもとに、研究され発見されていったことなのだそうだ。

 朝日新聞には、このようにあった。

 宇宙やわれわれは、いったい何からできているのか。人類はこの根源的な謎に、長年挑み続けてきた。3氏はあらゆる物質を形づくる基本粒子の研究で先駆的な理論を提唱し、現代の素粒子物理学の基礎を築いた。

 南部氏の授賞理由は「対称性の自発的破れのしくみの発見」。物質をつくる素粒子になぜ質量があるのかという宇宙の成り立ちにかかわる根源的な謎を、素粒子対称性が失われてしまうという現象から解き明かす考え方を61年に提唱した。その後の素粒子物理学の発展に大きな影響を与えた。


 私のような素人には何のことだかわけのわからないものすごい話。しかし科学者たちがどれだけ長い年月をかけて知性と努力を結集して研究しても、神様の創造の御業のほんの一滴にも満たないほどしか私たちにはわからない。そしてそのような壮大な創造のプロセスについて、聖書はただ簡潔にこう記す。

 

そのとき、神が「光よ。あれ。」と仰せられた。すると光ができた。(創世記1:3)


 今、これをタイプしながら、手がガタガタふるえ、涙も溢れてきた。
 偉大なる創造主であられる神様、ただただあなたの御前にひれ伏し、私たちの想像にも及ばないようなあなたの御業の壮大さ、またあなたご自身の偉大さのゆえに、御名をたたえ、礼拝します。

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