ようやく春ですね☆
アメリカ中部も、ようやく春になりました。日曜日など、春を通り越して夏だった…
今日からケンスケのサッカーが始まった。そう、空手に続き、今シーズンはサッカーチームにも入ったのです。幼稚園児のチームだからみんな小さくて可愛いんだけど。ケンはなかなかよく走って頑張っていた。やっぱり男の子だね。エミやま〜やがサッカーしてた時とは全然違う。空手の方も続けているし、いろいろ楽しみです。
ケンと言えば、先日こんなことがあった。誕生日に買ってもらった大好きなナルトのヘッドバンドをつけて公園で遊んでいたケン。夕方頃になって、彼が尋常ならぬ声で叫んでいるのが聞こえてきた。どうしたのかと思って覗いてみると、小学生の男の子が自転車で疾走するのを、ケンもまた自転車で叫びながら追いかけている。あまりにもただならぬ雰囲気に、てっきり狂犬でもいて二人で命からがら逃げているのかと思い、私もびっくりして二人の方に向かって走り出した。
二人に追いついて「一体どうしたの?」と聞くと、小学生の男の子は、「なんでもないです。これを借りていて、今から返すところです」と、自分の頭に巻き付けていたナルトのヘッドバンドをはずして私に手渡した。そしてそのまま自転車で走り去っていった。
ケンスケに事情を聞くと、公園で知り合った男の子で、ヘッドバンドを貸してというから貸してあげてしばらく一緒に遊んでいたらしい。ところが、それを返さないまま帰ろうとしたため、ケンは「Give me back my Naruto headband!!」と叫びながら彼を追いかけたのだそうだ。追いかけている時のケンはすごい迫力だった。今一番自分が大切にしているおもちゃを持っていかれそうになり、必死でそれを取り戻そうとしていたわけだ。無事取り返した後も、ケンはしばらく引きつっていた。失っては大変だと、よほど緊張したのだろう。そんなケンが可愛らしいやら、いじらしいやら、頼もしいやら…
家に帰ってからその話をぼぼるパパにすると、パパはケンの頭をなでながら、「偉いぞ。それでこそ男の子だ。自分のお気に入りのおもちゃでも、貸してと言われたら貸してあげるのも親切で男らしいし、それを持って行かれそうになった時、ちゃんと返してくれと言えるのも男らしい。さすがはパパの息子だ!」
その2週間後くらいに、今度はこんなことがあった。ケンはいつものように、幼稚園から帰って来ると公園で自転車に乗っていた。しばらくすると、公園で子どもを遊ばせていた近所の奥さんがうちに来て(公園はうちから通りを隔てた真向かい)、「ケンが大きな子どもたちに取り囲まれて何か言われてるわよ。様子を見に行った方がいいんじゃない?」 何事かと外に出てみると、ちょうど近所の中学校の下校時間で、学校帰りの中学生たちがケンに絡んでいた。私が通りを渡って公園に向かうと、彼らはサーッと散っていなくなった。ケンは一人、自転車にまたがったまま、くちびるを噛みしめていた。
「どうしたの?」
「Nothing.」
「何を言われてたの?」
「I don't know. I wasn't listening.」
ぶっきらぼうに答えるケン。
結局事情はわからずじまいだったが、向こう見ずのケンのこと、おそらく中学生のお兄ちゃんたちに「ウルトラマーン!」とか、「ナルトー!」とか、自分の方から声をかけたに違いない。それでお兄ちゃんたちにからかわれたのだろう。普段、エミやみんの友達の男の子にもよく一緒に遊んでもらったりしているので、年上の子どもを見ても物怖じしないのだろうな。だけど残念ながら、みんながみんな、お姉ちゃんの友達のように、ケンに優しくしてくれるとは限らない。世の中には意地悪な子もいるのだ。
他者の善意を無条件に信じられるような、そんなイノセントな子どもに育って欲しいとは思うけれど、現実の世界には危険や悪もたくさんある。イエス様が弟子たちに言われたように、「蛇のようにさとく、鳩のようにすなお」であることが大事なのだろう。
今日も幼稚園から帰って来て公園に行くというケンに、「中学生の子たちが来ても、話しかけちゃだめよ」と言うと、「わかってる! 今度は近寄らないで、無視するよ!」とケン。6歳なりに、いろいろもまれつつこの世の現実を学んでいるようだ。こうして、強く逞しい男の子に育っていくのかな。
念のため、中学校の下校時間の頃に公園の様子を見ると、ケンは茂みの反対側に隠れて(?)近所に住むダニーと二人でヒソヒソ遊んでいた。(笑)