ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

ミュージカル『パレード』

 エミたちのAll Stateの舞台は、素晴らしかった。演目は、『パレード』by Alfred Uhry. この作品はトニー賞も取ったミュージカルで、1913年、ジョージア州アトランタで起きた実話をもとにした舞台。
 メアリー・フェイガンという13歳の女の子がパレードを観に行ったまま行方不明になり、次の日彼女の勤務先の鉛筆工場の地下で遺体となって発見された。工場長のレオ・フランクというユダヤ人が犯人として疑われ、裁判にかけられ、有罪となり死刑の判決を受ける。しかし、裁判に不備があったのではと疑った州知事は、死刑から終身刑へと減刑した。(釈放しなかったのは、民衆の彼への怒りが激しく、牢屋の中にいた方が彼にとって安全だと思われたため。)当時の南部は黒人に対する人種差別が激しかったが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、ユダヤ人に対する反感が高まっていた。ユダヤ人が南部の娘を殺したと信じ込み、怒りに燃えていた民衆は、牢獄からレオを拉致し、リンチし、木に吊るして殺した…

 人種差別、冤罪、リンチ… アメリカの歴史に関わるかなりヘビーなテーマだったけれど、素晴らしい舞台だった。今回のエミは、キャストではなく、ピットオーケストラで参加。ミュージカルの音楽は、生演奏なのだ。ピット(ステージの前にあるオーケストラが入る穴)だから演奏している姿は見えなかったけど、エミのバイオリンソロはなかなか良い味を出していた。キャストも、さすがイリノイ全州の中からオーディションで選ばれた子たちだけあって、みんな歌も演技も素晴らしく上手だった。演出はエミの高校の先生。いやあ、アメリカの高校演劇を指導する先生というのは、半端じゃないですね。普段は高校の英語の先生だけど、多分本人にとっても、舞台の演出をする方が楽しいんだろうな。

 それにしても、舞台の素晴らしさもさることながら、終わった後の、エミの満足げで幸せそうな顔を見れたことが、私にとっては何よりも嬉しかった。舞台の後、エミは「終わってしまって悲しい」と泣きながら出てきて、他の仲間たちもみんな泣いていて、ずっとハグし合っていた。参加者は州全体から集まっているため、本格的な練習は火曜日からの4日間に賭けていたようで、それだけ短時間の間に、みんなの結びつきが深まったようだ。この秋学期は、エミにとってがっかりするようなこと、悲しいことがいろいろあって彼女にとっても辛い数ヶ月だったけれど、このプロダクションに参加できたことは、彼女にとってもいろんな意味でプラスになったと思う。エミにこのような機会をくださった神様に感謝。



 ね、エミ、いい顔してるでしょう? (写真はまた、後にミクシィにでも移動させます。)→ 移動させました。

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