ドーキンスの変化
『神は妄想である』の著者で、宗教を毛嫌いする無神論者として有名なリチャード・ドーキンスが、『The Greatest Show on Earth: The Evidence for Evolution』という新刊を先週出版したそうだ。それに関するニューズウィーク誌のインタビューを読んでびっくり。
「新刊でも進化論と神への信仰は相容れないものだという立場を取っているのか」という質問に、なんと「ノー」と答え、その素晴らしい例がフランシス・コリンズだと言っているではないか!前書『神は妄想である』では、進化論と信仰の和合性を断固否定していたらしいので、彼にしてみれば相当な変化だと思う。
2年前になるが、このブログでもドーキンスとコリンズの対話を取り上げたことがあった。(「ドーキンス vs. コリンズ」)その時に感じたのは、ガチガチの無神論者として有名なはずのドーキンスだが、実は、理神論的な神ではあろうが、神の存在そのものは、必ずしも否定しているわけではなさそうだということだった。
ドーキンスといえば、クリスチャンの敵のように言われたりするが、実は私は、彼のことはそんなに嫌いではない。むしろ、気になる人。正直言って、彼が声高に宗教を攻撃する気持ちはわからないでもないように思っていたし(「宗教」は私も嫌いだし!)、彼がいつか聖書の神に出会う時が来たとしても、不思議はないような気がしてならないのだ。
これは私の勝手な想像だが、ドーキンスにとって、コリンズは新鮮な存在であったのではないだろうか。明晰な頭脳と実績を持つ世界的な科学者であり、当然進化論も受け入れつつ、なおかつ聖書の神を信じると言ってはばからない人物… きっと、今までドーキンスが出会ってきたような、ディフェンシブで自分(ドーキンス)を頭から否定し非難するようなクリスチャンたちとは大違いだったに違いない。きっとコリンズの理性や知性だけではなく、その人格・品性に、何か感じるものがあったに違いない。
結局のところ、ぼぼるパパもいつも言っているとおりなのだろう。無神論者を名乗る人たちのことは、議論や神の存在の科学的な証拠(そんなものは実際存在しない)などで、その心を変えさせることなどはできず、むしろ神を信じると言う者にふさわしい品性(「キリストに似た者」とされていること)によって、彼らの心に届いていく以外にはないのだ、と。
The Greatest Show on Earth: The Evidence for Evolution
- 作者: Richard Dawkins
- 出版社/メーカー: Free Press
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