ミルトスの木かげで

旧はちことぼぼるの日記

God Bless you!!

まことのいのちを得るために…
……so that they may TAKE HOLD OF THE LIFE THAT IS TRULY LIFE.
(第一テモテ6章18節 写真はミルトスの花)

マイク、帰る(オヘアhavoc)

 水、木とStarved Rock州立公園へ家族で行き、木曜日はいったん帰宅してから、夕方からエミとマイクとぼぼるパパの三人でシカゴ美術館へ出かけて行った。(木曜日は5時半から8時まで、入場無料になるので。)

 金曜日は、午前中はのんびりし、お昼にエミの高校時代のオケと演劇部の後輩で、プリンストン受験を考えているフィリピン人の男の子と3人で食事に行った。その子も数学専攻を考えているとかで、マイクがいろいろ教えてあげたそうだ。
 そのあとは、エミとマイクは映画「インセプション」を観に行き、その後、夜7時からはエミのコンサート。この街のおたくショップ(アメリカのコミックブックとかフィギュアとか各種カードなどが売っているお店で、スターウォーズファンの月例集会や、遊戯王カードのトーナメントなどが毎週行なわれていたりするマニアックなお店)にて、いくつかのローカルバンドとの共演。このコンサートには、私とぼぼるパパも行ってきた。

 そして今日はマイクの帰宅の日。マイクは午前9時のフライトでニュージャージーのNewark空港へ向かい、そこから午後の便で香港に一時帰国する。

 うちからシカゴのオヘア空港まで、渋滞などがなければ55分くらいで行ける。時間に十分なゆとりをもって、朝6時過ぎに私とぼぼるパパとエミの三人でマイクを送って行った。ところが、半分ちょっとまで来たところで大変な嵐が私たちの通り道を襲い、約15分くらい、前もほとんど見えないようなどしゃぶりに。ようやく雨が通り過ぎたと思ったら、なんと高速道路が冠水して一部閉鎖となったため、私たちは一般道へと降ろされてしまった。I-294という高速道路のその一画を使っていたすべての車が高速道路を降ろされたため、下の道はたちまち大渋滞。渋滞のうえに、下の道もあちこち洪水で閉鎖になっていて、トロトロ運転で迂回に次ぐ迂回。パパのiPhoneのGPSで地図と方角を確認しつつ進むものの、「オヘア空港まであと18マイル、所要時間4時間半」と出てくるしまつ。(18マイルというのは、30キロ弱。)

 今朝はエミが朝8時半からプールの水泳教室で教える予定が入っていたので、その時間までにはちゃんと帰ってこれるつもりで出かけたのに、8時半になっても、私たちはまだオヘア空港にも到着していなかった…(汗)
 「きっとフライトも遅れてるよ。いつも遅れるし。ユナイテッドだし」そう言いながら、パパのiPhoneでフライト状況を調べると「no delay」。なんでこういう時に限って遅れてないの? やっとの思いで出発ターミナルに到着したのは8時40分だった。
 なんとか間に合うか!?と思ったものの、ポーターに荷物を預けようとすると、「もう間に合いません。次の便に乗ってください」とあっけなく言われ、ポーターが指差す方向を見ると、長い列が。
 ただニューアーク空港に行くだけなら次の便でもかまわないけれど、マイクは午後3時の香港行きの便に乗り継がなくてはならない。焦る私たち。それでもとにかく長い列の最後に並び、電光掲示板のデジタル時計が9時を過ぎるのを恨めしい目で見上げた。
 次のニューアーク行きの便は10時45分発。スムーズに行けば乗り継ぎはギリギリで間に合うだろうけれど、国際線だし、厳しいかもしれない。
 ようやくマイクの番が回ってきて、無人のチェックインカウンターで、75ドル余計に払って次の便に席を確保しようとした。しかしながら、すんでのところでマイクは何か納得がいかないらしく、カウンターの向こう側で荷物を預かっている人に「質問があります。フライトを逃してしまったんですが…」と言うと、彼女は、「フライトを逃したのなら、ここではなく、あっちの列ですよ」と、冷たく別の長い列を指した。キレかかるマイク。「でも、さっき別の係の人に訊いたときは、この列でいいと言われたんですよ!」その別の係の人がたまたま背後にやってきたので、その人に聞くと、「ここでいいんですよ。あの人たちは荷物を預かっているだけで、ユナイテッドの人間ではないんです」とささやく。何が何だかわからなくなり、怒って荷物をもって歩き出したマイクをなだめつつ、もう一度そこでチェックインして、次の便に座席を確保した。
 しかしマイクはなおも、「ニューアークに着いてからは、コンチネンタルに乗り換えるのでターミナルを移動しなくちゃいけないし、間に合うかわからない」と焦っている。そこで、ぼぼるパパが「よし、それではオヘアのコンチネンタルのカウンターに行って、何とかならないか訊いてみよう」
 次の便の搭乗時間にはまだ間があったので、私たちはエアトレインに乗ってコンチネンタルのカウンターのあるターミナル2へ移動。そこの係のおじさんに訊くと、「最初からホンコンまで行くと言って国際線のターミナルでチェックインすれば、荷物の心配はいらなかったのに」と言う。しかし、時すでに遅し。香港行きのチケットと、今回のシカゴ-ニューアーク間のチケットは、マイクが別々に購入したものだったので、最初から国際便としてチェックインするとは思いが及ばなかったのだ。それに、そういった相談をしようにも、チェックインは無人化されていて、ちゃんと話しの通じる係員が近くにいなかったし。
 それでもそのおじさんは、とにかく香港行きの便にマイクをチェックインし、搭乗券をくれた。それでようやく落ち着いて、笑顔が戻ってきたマイク。もう一度ユナイテッドのターミナルに戻り、時間も押してきたことだったので、改めてお別れをして、マイクを送り出した。
 私たちがようやくオヘアを後にしたのは10時。帰りの高速道路がどうなっているかわからず、おそるおそる乗ってみると、案の定大渋滞。その後も紆余曲折があり、私たちが家に帰り着いたのは、午後1時半過ぎだった。行きも帰りも、片道2時間半かかった。
 もうちょっとうまく立ち回ってあげることができれば、と悔やまれる思いもあったけれど、私たちも最善を尽くしたし、「ストレス下におけるマイクの様子を見ることができて良かったよ」とぼぼるパパ。(父親らしい発言w)エミはと言えば、「Everything that could possibly go wrong went wrong, but it could have been worse.」とケロッとしていた。
 結局、私たちが家に帰りつくより先にマイクはニューアークに到着した。そしてニューアークに到着してみたら、なんとホンコン行きのフライトは6時間も遅れることになったことが判明。今こちらは夜の8時過ぎだけれど、マイクのフライトは今ごろようやくアメリカを出発したことでしょう。無事にホンコンの自宅まで帰り着きますように。

 マイクと一緒の一週間はとても楽しかった。彼はすっかり我が家の一員のようになり、行動を共にしていて違和感がなかった。一緒に「のだめ」のヨーロッパ篇や、「タケシのコマ大数学科」を観たしね。(笑) 
 マイクが別れ際にくれたThank you noteには、心あたたまるお礼の言葉が綴られていて、思わずウルっときた。さてこの二人、これからどうなることやら。祈りつつ見守ろう。

(シカゴ:グラント公園のバッキンガム噴水前にて。撮影:ぼぼるパパ)

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